守谷市本町における地籍調査の立会依頼来ました

昔の測量はいい加減が多いです。

守谷市役所より「令和6年度本町Ⅰ地区地籍調査業務の実施について」と郵便物が届きました。
国土調査の一種で、市町村が主体となって全国的に行っているので、土地の所有者さんには上記のように、地域的に測量がされてないエリアの地権者に対して役所から境界立会の依頼が来るのです。

地籍調査のお願い

役所でこのような測量業務を多いときは年間5000万円くらい発注していた経験があるので、地籍調査測量の重要性も良く分かります。
明治~昭和初期の測量精度はとても低いので、現況の公図はゼンリン社の地図より精度が低く、代々個人所有の土地については、実測すると「縄伸び、縄縮み」と言われるほど土地面積が土地登記簿記載の公簿面積と比べて大きく異なることがよくあります。

そして、誤差の大きい事例のほとんどは、「縄伸び」=「実測したら公簿面積より広い」です。

なぜでしょう?

それは、明治時代の土地所有者が土地にかかる税金を少なくしたいために、当時の測量器具である縄の結び目の間隔を伸ばして、自分の土地面積が小さくなるように役所に届け出たからと言われています。

そのため、実測すると1割~3割増、ひどいものになると、公簿面積の10倍くらいの面積だったりします。
どの時代も土地にかかる税金を収めるのには抵抗ありますよね。
ある意味、政府としては、毎年の土地の固定資産税(市街化区域内は+都市計画税)を適切に徴収したいのでしょう。


しかしながら、今回の地籍調査については、基本的には、当方は全面的に協力です。
理由は、本町含めて公図がいい加減過ぎて、今後の土地管理に支障をきたすからです。

子どもたちに境界立会の苦労や費用負担の負債を残したくありません。
民々同士で測量知識もない人同士で境界が決めるのは、時として摩擦や不仲を生じさせます。
代わりに役所が音頭を取って境界を明示するのを公費で負担してくれて、公図も登記面積も直してくれるのなら御の字です。

ちなみに、当方の目の前の道路は直角に近いT字道路ですが、公図では斜め交差のT字になっています。
そのため、隣接する土地は実際は長方形の字型でも、公図上は平行四辺形のような形です。

昔の測量はいったいどれだけいい加減なのでしょう。

地籍調査は公共測量です。

守谷市が行う測量も含めて、現在は公共測量と言えば「世界測地系」によるGPSを利用した測量のはずで、これは精度が非常に高いです。

現在の測量機器は光波ですので、1ミリの1000分の1まで測れます。(測量規程では10~20mmまでの誤差は可。1mm以下の精度で永久境界杭を設置は、実際、人の作業としては無理です。)

「基準点」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、1級基準点から4級基準点の国や県が管理する公共基準点が昔から存在していますが、それらの多くはまだ「日本測地系」での基準点です。
基準点で有名なのは、日本橋の据えられた基準原点でしょう。
その他多くは、永久基準点として公道上や学校の屋上にあったりします。

しかしながら、阪神淡路大震災や東日本大震災を経験すると、被災したエリアでは、最初に復旧の要となる道路の座標を復元することができません。
道路管理者が持っている「道路査定図」に記載のX,Yデータは昭和時代の日本測地系の座標なのですが、その基準点が大地震の影響で座標の精度が落ちて信頼性が失われると、道路の境界が復旧困難、隣接する一般宅地との境界も分からないという事態が生じます。

もし世界測地系での測量であれば、公共測量で使われる4級基準点も世界測地系用の基準点を上位基準点から回し、国土地理院の精度検定を受けていますので、道路上の基準点が一時的に亡失されたとしても、基準点復元後GPSを利用して自らの土地の角のX,Y座標を測量士にて正確に復元できますね。

上記は大地震という稀な事例ですが、普通の自己所有地管理でも、お隣さんとの境界杭が倒れたり亡失した場合、公的な測量成果としての基準点や敷地角の座標が自治体や法務局で保管されていれば、穏便に復旧可能というわけです。
また、売買等で土地を分筆する場合も、測量士(土地家屋調査士)さんの作業が容易になります。

なお、ニュータウン整備、土地区画整理事業等が行われたエリアは、道路座標も各土地の座標も公的なデータとして残されているので、国土調査する可能性はおそらく低いでしょう。

測量に強い不動産業者をお求めなら、ぜひ弊社にご相談をお願いいたします。

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