ハザードマップの裏側と宅地の選定
6月2日、3日と大雨が続きましたね。
夜中もすごい雨音でした。
隣の取手市では、床上、床下浸水で計30戸が被害にあわれたそうです。
(写真はABEMAニュースより)
こういった災害に関するニュースを見聞きすると、大変気の毒で今後の生活を心配してしまいます。
安全な場所は?
自分の住んでいるところ、またはこれから購入しようとするエリアが安全かどうか、どのように調べますか?
役に立つのは、市町村が作成しているハザードマップです。(作成していない自治体もあります)
水害用のハザードマップと土砂崩れ用ハザードマップがあります。
川が溢れたらどこまで浸水するのか?
土砂崩れが起きそうな場所はどこか?
避難場所はどこか?
等が記載されている図面ですね。
ただ、このハザードマップ、信用しすぎないことも大事で、土地の成り立ち(=地盤)や高低差等の地理、水利、付近の土地利用等を自分で予想することがとても大事です。
なぜなら、自然の力の脅威は、人間の予想や想像を時として超えるからです。
「今まで長年近く住んできたけど、こんなに川の水位が上がるとは思っていなかった。だから避難をしなかった。」
という、被災された方のコメントをニュースでよく聞くでしょう。
その理由はというと、、、
現在の治水工事中の河川は、昭和22年のカスリーン台風のような1回こっきりの大雨の記録をベースとして改修計画を立てていますが、現在の気象条件と80年近くも前の気象条件は、もはや異なっています。
「ゲリラ豪雨」、「線状降水帯」といった雨にまつわるキーワードを耳にするようになったのは比較的最近です。
近年は台風が数日後、連続で続けて来ることもあります。
現在の着工中の河川改修は、近年の降雨モデルを想定していないので、短期間で想定以上の雨水が川に入ってきたときには、水位が上がりきって内水を河川へ排水処理できず、行き場所をなくした雨水が市街地であふれてしまうのです。
また、大雨+大地震の2つの力が同時に生じることはごく稀で、そのため耐力設計は、流量か大地震のどちらか大きい方だけという設計思想なので、大雨で河川付近の地盤が緩み、高水位の状況で大地震が来たときは、改修したばかりの護岸と言えども被災する可能性があり、人命、財産の被害が生じても、想定外で片付けられてしまいます。
土地選びで大事なのは
自身でも地理、水理、地盤を調べて、専門家に評価してもらい、リスクに見合った家を建てるということをお勧めします。
浸水の可能性があるなら、「高床式」の家にして居住部分の床高を浸水想定高さよりも高くすることが有効です。
地盤が軟弱であれば、石灰改良や支持杭を施工してしっかりした基礎の上に建物を建てること、土砂災害の恐れのある斜面の近くにはなるべく住まない、もしくはしっかりと計算された擁壁を設ける等で対策できます。
最後はPRになりますが、弊社は、河川氾濫、大地震の復旧経験ありますので、それらの経験をお客様の宅地選定に活かします。